イスラム教徒の神聖な月ラマダンをエジプト・カイロで過ごす| トラベルダイアリー

イスラム教徒の神聖な月ラマダンをエジプト・カイロで過ごす

ラマダンに行ってきました!

本来、旅行期間を選ぶことが出来るならラマダン期間中は避けます。なぜなら、ラマダン中はどこも通常営業ではなく、どうしても観光客にも制限が出てくる為です。そのため、旅行期間としてはあまりお勧めされません。ですが私は休暇の都合上、ラマダン期間のエジプト・カイロへ行きました。それが意外にも貴重な機会となり良い思い出となったのです。

ラマダン期間中に旅行をするメリット

おすすめのポイント
  1. ラマダンはまるでお祭り!皆が神聖な月を楽しんでいる
  2. いつもとは違うエジプト人の様子をみられる
  3. 国全体で盛り上がっており、イスラム教に興味が湧く

ラマダンの月は1ヶ月まるまる断食するので“大変そう”、“辛そう”というイメージが先行していました。しかし実際にカイロで人々の生活をみていると皆が断食を楽しんで行っていることが分かりました。彼らにとってラマダンはとても大切で神聖な行事なのです。北アフリカの中でもエジプトには敬虔なイスラム教徒が多いように思います。エジプトでは国全体がラマダンのお祝いムード一色という感じでした。

ラマダンの見どころ

エジプトのラマダンの風物詩・ファヌース

ラマダン期間中、ホテルのレセプションや各家庭の入口には「ファヌース」と呼ばれる
ランタンが灯され、夜の街を彩っています。このファヌースはエジプト発祥とされ、色ガラスやブリキを加工して作られています。これには“道しるべ”や“希望”といった意味が込められているそうで、実に1000年以上もの歴史があるといいます。市場にも様々なものが売られており、見ているだけで楽しくなります。私も欲しくなったのでガイドさんに探してもらい、小さいものを1つ購入しました。

敬虔なイスラム教徒たちの断食に感心

ラマダンはイスラム歴の9月に行われる行事です。イスラム歴は1年を354日とする太陰暦に基づいているので、ラマダンの期間は太陽暦にすると毎年同じ日にはなりません。毎年11日ずつ前倒しになっていきます。33年で季節が一巡し、イスラム教徒は生涯で同じ季節のラマダンを平均2回ずつ過ごすと言われています。たとえそれが真夏であろうと、敬虔な方々はどんなに暑くても少しの水も飲みません。ホテルで冷えたマンゴージュースがウエルカムドリンクとして出されましたが、ガイドさんは飲みません。目の前で飲むのは申し訳なくなりますが、笑顔で「大丈夫!気にしないで」と言ってくれました。

断食明けの食事・イフタールを楽しむ

ラマダン期間中、日中の大変な断食を終え、日が沈んでから最初に食べる食事のことを「イフタール」といいます。日本語に訳すと“朝食”の意味で、断食を破る食事のことです。日没30分前になるとホテルのスタッフやレストラン、ショッピングモールのフードコードは慌ただしい空気が漂います。みんな食事を買って目の前に置き、日没を今か今かと待っています。私は滞在中見ることはなかったのですが、街中で道路や通りにテーブルとイスを並べて、無料のイフタールが提供される場所もあるようです。

ナイル川ディナークルーズでカイロの夜を過ごそう

カイロの主要観光の1つであるナイル川ディナークルーズ。たしか約2時間のクルージングだったと思います。ディナークルーズでは男性が大きなスカートのような衣装を着て、
くるくると回りながら踊るエジプト伝統の旋回舞踏・タンヌーラとベリーダンスがクルーズ中の出し物として有名です。国によってはラマダン期間中はベリーダンスの提供が無いところもありますが、エジプトではラマダン期間中も見られます。ただ、衣装が露出度が低めになります。お腹を出さない、ワンピースの衣装になっていましたね。カイロの夜景を見ながら過ごす夜は旅の素晴らしい思い出になること間違いなしです。

様々なものがラマダン仕様のデザインに!

ラマダン期間中はホテルの壁にも“ラマダン・カリーム”(意味は恵み多い月ラマダン、おめでとう!)という文字が照らし出されます。本当にどこもお祭りのような賑わいを見せます。ショッピングモールの飾りつけもラマダン用になっていました。街を歩いている際にも、ラマダン・カリーム!と明るい声がそこかしこで聞こえます。私が見つけたのはペプシコーラのラマダン仕様のデザインです。いち観光客としてはこんなものにもテンションが上がってしまいました。

ラマダンで見つけたグルメ

真夏のカイロで食べると美味しい!激甘スイーツ・コナーファ

コナーファとは小麦粉と水を混ぜて作った生地を細かい網目状にし、丸めたものを揚げたエジプトの伝統菓子です。中にはナッツ類やクリームなどを包み、たっぷりのシロップがかけられています。日本人からすると驚くほど甘いので、通常は小さいのに1つ食べるのが精一杯なお菓子です。ですが、日中の観光を終えて、ミントティーと共に食べると不思議と身体にその甘さが染みわたり、みるみるうちにエネルギーが湧いてくるのを感じます。ムスリムの方もラマダン中はコナーファをはじめ、たくさんの甘いお菓子を食べますが、断食をしている彼らの気持ちが少し分かった気がしました。

ラマダンに必要なアイテム・服装・その他

ラマダン期間中を問わず、イスラム教の国を観光する際の注意事項ですが、露出の多い恰好は避けたほうが良いでしょう。中にはノースリーブに短パンで観光をしている人もいますが、やはり目を引きますので、現地の人への敬意を持って観光するよう心がけたほうがいいですね。あとは非ムスリムではない観光客はラマダン期間中でもレストランで普通に食事が出来ます。ですが、レストラン以外の場所、特に公共の場での食事は控えたほうが良いですね。

ラマダンでの注意点

ラマダン期間中もイスラム教徒ではない観光客は通常通りに各遺跡の観光が出来ますし、一部の場所を除き、レストランでアルコールも飲めます。但し、ラマダン期間中は観光地の営業時間が変わるので注意が必要です。一般的には閉館時間が早まります。観光客向けのレストランも通常通りの営業をしているので、食事がとれなくて困るといった事はないので安心です。ですが、夕方にホテルのチェックインをする場合にはスタッフがイフタールを取っている場合があるので、通常よりも時間がかかる場合があります。

まとめ

ラマダンはもっと観光客にも様々な制限が出て、観光にも支障がでるものかと思っていました。エジプト人たちも断食をしているのだから、あまり元気がないのでは?とはじめは思っていました。しかし、実際に行ってみると、彼らの表情は明るく、国全体が大事なお祭りをしている感じで、彼らムスリムにとって、いかにラマダンが重要な行事かというが分かりました。特にエジプトにはファヌースがあるため、移動中の車窓から各家庭のそれを見るのはなかなか面白かったです。貴重な経験が出来ました。

Natalia

投稿者の過去記事

エジプトをはじめ中近東のイスラム圏やアフリカが好きです。
出張やプライベートで行った海外の街の魅力を紹介していきます。
買い物も大好きなので、海外で出会ったかわいい雑貨やアクセサリーなども出来るだけ紹介していければと思います。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

海外旅行おすすめ

  1. 石灰岩をくり抜いてできた街!イタリアのマテーラの洞窟住居| トラベルダイアリー
    マテーラ旅行体験記丘の上につくられた都市や地中海の絶景を一目この目で見てみたい!でもギリシャ文字…
  2. マーストリヒト旅行体験記マーストリヒトはオランダの最南端、リンブルグ州の州都でオランダ最古の都市…
  3. カトマンズ旅行体験記インドと国境を接するネパール。最初はインド旅行のついでに訪れたネパールでした…
  4. シンガポール旅行体験記テレビで見て以来絶対に泊まりたかったマリーナベイサンズ。マリーナベイサンズ…
  5. 南アフリカケープタウンで過ごした充実した日々、観光&買い物♪| トラベルダイアリー
    ケープタウン旅行体験記ジンバブエ、ザンビア、ボツワナも回る南部アフリカ周遊10日間のツアーで訪れ…
  6. 古代ギリシャの聖域デルフィと近郊のアラホヴァ観光| トラベルダイアリー
    デルフィ旅行体験記アテネから約3時間の場所にあるデルフィ遺跡。標高が高い場所にあるので、遺跡の眼…
  7. 女子一人旅 in 中国② 西塘で清朝の時代にタイムスリップ?|トラベルダイアリー
    西塘旅行体験記前回訪れてから2年、再び友達を訪ねて中国へ遊びに行ってきました。前回は友達が空港ま…
  8. ローマ旅行体験記10代の時に初めてローマ旅行をして以来、すっかりその魅力に取り憑かれてしまった私…
  9. 海外女一人旅デビューに最適な場所はココ!台湾、台北| トラベルダイアリー
    台北旅行体験記少し前から近場の海外旅行先として話題の台湾。治安が良く、食べ物もおいしい。そして親…
  10. ルアンパバーン旅行体験記ラオスについて聞いたことはあるものの、日本人にはあまり馴染みのない国なの…

国内旅行おすすめ

  1. 浜松・新城日帰り旅行体験記浜松・新城へ日帰りで行ける涼しい観光スポットの新規開拓に行ってきました…
  2. 海と島と橋の景色に感動☆しまなみ海道を渡って今治サイクリング!| トラベルダイアリー
    今治旅行体験記広島県尾道市から自転車でしまなみ海道の島々を渡り、愛媛県・今治市を訪れました!サイ…
  3. 江戸~昭和にタイムスリップ!「伊予の小京都」大洲で町歩き| トラベルダイアリー
    大洲旅行体験記愛媛県の大洲市に長期ワーケーションで訪れました。大洲は愛媛県西部の山あいに位置する小…
  4. [妖怪だらけ 境港市]水木しげるロードで楽しもう!| トラベルダイアリー
    境港旅行体験記鳥取県に友人と二人旅に行ってきました!一泊二日の旅程で、1日目は鳥取の北西部にある…
  5. ハイカラな街!横浜でゆる〜くハマ歩きをして気分爽快!| トラベルダイアリー
    横浜旅行体験記何度も訪れたことのある横浜ですが、異国情緒溢れる街を散策して気分をリフレッシュしたい…
  6. 上高地
    松本旅行体験記松本は、長野県第二の都市。日本アルプスへの中継地点という事もあり、山へ登りに行…
  7. 湯布院旅行体験記 「温泉入りに行きません?」残業続きでクタクタの金曜深夜に、ふと…
  8. 不要な縁は切りたい!過去の思い出に京都の縁切り神社でさようなら| トラベルダイアリー
    京都旅行体験記転職をしようと決めた。会社に今後の進退を報告する書類を出した所、引き留めるために何…
  9. 天橋立・伊根旅行体験記京都といえば寺社仏閣や四季折々の風景ですよね。実は皆さんが想像する「京都」…
  10. 神戸旅行体験記関西旅行の中でも私はとにかく神戸がお気に入りです!今回は山側、海側どちらも堪能でき…

最新記事

  1. 宮古島沖縄旅行体験記子連れリゾート旅行で人気NO1の沖縄。本島には多くのファミリーが訪れています…
  2. スペイン植民地時代の香り!クラシックカーとレトロな街並み、ハバナ | トラベルダイアリー
    ハバナ旅行体験記レトロかわいい街並みとクラシックカーという構図のイラストを見たことがある人は多い…
  3. 穴場南国リゾート!宮崎、日南で南国を味わう
    日南旅行体験記南国リゾートといったら沖縄がまず思い浮かぶでしょう。しかし、実は宮崎も元祖南国リゾ…
  4. 奄美大島旅行体験記 新しく世界遺産に登録された奄美大島。南の島として有名な沖縄の島々…
  5. 女子一人旅 in シンガポール チープとゴージャスと多民族| トラベルダイアリー
    シンガポール旅行体験記 以前の旅で出会った友達に会いにシンガポールへ行きました。都市…
  6. 女子一人旅 in トルコ③ 超穴場!トルコでローマ遺跡、ベルガマ| トラベルダイアリー
    ベルガマ旅行体験記 トルコの観光地でも日本人にはあまり知られていないベルガマに行って…
  7. たまてばこ号に乗って指宿へ。指宿のマンゴーは旨い!| トラベルダイアリー
    指宿旅行体験記鹿児島の温泉と言えば指宿温泉。指宿は砂湯や開聞岳で知られています。温泉街の近くに「…
  8. 女子一人旅 in トルコ③ 白い世界と古代遺跡、パムッカレ|トラベルダイアリー
    パムッカレ旅行体験記 トルコで次に訪れたのは、真っ白な段々の石灰棚で有名なパムッカレ…
  9. 沖縄最高の1日の過ごし方 〜海・滝・サンセットに癒され旅〜| トラベルダイアリー
    沖縄旅行体験記沖縄の泳げて遊べる面白い滝をご存知ですか?沖縄に来たなら海だけではなく是非この滝も…
  10. 女子一人旅 in 中国② 西塘で清朝の時代にタイムスリップ?|トラベルダイアリー
    西塘旅行体験記前回訪れてから2年、再び友達を訪ねて中国へ遊びに行ってきました。前回は友達が空港ま…

Archive

スカイツアーズ

PAGE TOP