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アムリトサル旅行体験記
アムリトサルは、インド北部に位置する街です。パキスタンに陸路で入国するために、国境を接するこの街を訪れました。今回はあまり知られていないアムリトサルについてご紹介します。
アムリトサル旅行について
- シーク教の総本山、黄金寺院が美しい!
- シーク教の人は、礼儀正しく温和な人が多い!
- 寄付制の宿や、無償で提供されるインド料理を体験できる!
ヒンドゥー教が大多数を占めるインドで、シーク教は少数派の1.7%です。アムリトサルにはシーク教の総本山、黄金寺院があります。シーク教には裕福層の信者が多く、穏やかな人柄の人が多いと言われています。私がアムリトサルで出会ったシーク教徒も、礼儀正しく心に余裕があるような、ヒンドゥー教徒とはまた少し違った雰囲気を持っていました。寺院内では無償で食事や宿泊所が提供されており、海外旅行者も施しを受けることができます。
アムリトサル旅行のおすすめのスポット
シーク教の総本山 黄金寺院
アムリトサルにある黄金寺院はシーク教の総本山で、インド国内中からシーク教徒が訪れます。黄金に輝く寺院は水上に浮かんでいるように建っており、水上に架けられた橋を渡って中へ入ることもできます。寺院内は土足厳禁で、入り口の靴箱に靴をいれて裸足で中に入ります。黄金寺院の周りは回廊になっているので、様々な角度から美しい寺院を拝みましょう。時間帯によって、違った顔を見せてくれるので1日に何度も訪れてみるのも良いでしょう。私のおすすめは、夕日で赤く染まる時間帯の黄金寺院です。
インド兵 VS パキスタン兵!繰り広げられる熱い応援合戦!
パキスタンとの国境で毎夕、国境閉鎖時に行われる儀式がかなり面白いのです。フラッグセレモニーという国旗を下す儀式で、国境を護衛するパキスタン兵とインド兵が自国の屈強さをアピールし、お互いを威嚇する応援合戦のようなものです。実際インドとパキスタンの関係はかなり緊迫している状況ですが、この儀式はパフォーマンスのようなものです。多くのインド人観光客がこの儀式を見に来ていて、観客のインド人も自国の応援に熱が入ります。熱気溢れる会場は、まるでサッカー会場のよう。このような国境パフォーマンスを行う場所は、他に聞いたことがありません。とてもおすすめです!!
インドならでは、カオスな街並み
シーク教の聖地といえど、ここはインド。寺院を一歩出ると、インドらしいカオスな光景が広がっています。交通ルールには秩序なんてものは見られず、車もトゥクトゥクも牛もバイクも我先にと突っ込んでいき、けたたましいクラクションが鳴り響き、常に道は大渋滞です。歩いていると、大阪人ばりにツッコみたくなるような光景に出会えるのが、インド旅行の楽しいところだと思います。カオスの世界を楽しみ笑い飛ばしましょう。旅の経験値もぐっと上がるはずです。
インドの少数派 シーク教徒とは
頭に巻いたターバンがシンボル シーク教
インド人といえば、頭に巻いた大きなターバンを思い浮かべる人も多いのではないでしょか。インドでターバンを巻いているのはシーク教だけで、シーク教のシンボルでもあります。シク教徒は体毛の散発を禁止しているため、男性も長い髪の毛をターバンの中にまとめています。他にも、ヒンドゥー教に根付くカースト制(階級制)の否定や、同性愛者への差別の禁止、他宗教を敬うことや、食の縛りがないことなど、寛大で調和的な信仰が特徴です。
アムリトサルでのおすすめグルメ
無償で配給される食事
寺院内には大きな食堂があり、ここでは宗教や国籍、カーストを問わず誰にでも無償で食事が配給されています。食堂の入口から溢れんばかりの人々が並び、次々へと食事が配膳されていきます。驚くことに、毎日10万食のカレーが提供されているそうです。見た目と味どちらもかなり質素で、日本でいうなれば精進料理のような感じです。かなり貴重な体験になるので、アムリトサルに行く機会があれば絶対に訪れてほしいです。
アムリトサルにて宿泊したホテル
寄付制の宿泊所
寺院内には、寄付制の宿泊所もあります。そこは薄暗い部屋に簡素なベッドがいくつか並べられただけの部屋でした。決して清潔ではないですし、まるで独房のような雰囲気でした。それでも他宗教の外国人旅行者にまでも宿泊所を提供してくれる、懐の深さには感服です。宿を出るときに宿泊費の寄付を求められますが、いくら支払うかは宿泊者次第です。実際に宿泊してみた本音を言えば、清潔感、セキュリティ面、設備面のすべてにおいて良いとは言えない環境で、お金を払ってでも寺院外の宿に泊まる方がおすすめです。個人的には、1泊だけの宿泊でしたし、なかなかできない経験をできたと思っています。
アムリトサル旅行にて利用した旅行代理店・ツアー
個人ツアー
アムリトサルへの観光は個人ツアーで充分ですし、そもそもツアーの催行はないように思います。カオスのバラナシやデリーから来ると、親切で礼儀正しいシーク教の人たちに少し物足りなさを感じてしまうくらいですが、旅は格段にしやすいです。アムリトサルに限らずインドは、個人でたっぷりと時間をとってのんびり旅行をするからこそ、見えてくるものがあると個人的には思っています。ぜひ自力で電車に乗ってアムリトサルを訪れてみてはいかがでしょうか。
アムリトサル旅行に必要な持ち物
「虫よけスプレー」「長ズボン」「羽織り」
寺院内には蚊が多く、油断すると蚊にさされで悲惨なことになります。強力な虫よけスプレーを持っていきましょう。服装は、男女ともに長ズボン必須です。寄付制の宿のベッドには、掛け物は用意されていないので、軽い羽織を持っていると便利です。
アムリトサル旅行での注意点
- それぞれの宗教を敬い、感謝の気持ちを持つこと
- 感謝の気持ちを寄付金で!寺院の人たちは無償で働いています。
- 寄付制の宿に泊まる場合は、金銭の管理に注意!
ヒンドゥー教やシーク教、他にもキリスト教やイスラム教などインドでは様々な宗教観を持つ人がいます。世界中どこでも言えることではありますが、それぞれの宗教を敬い、感謝の気持ちを持つことはとても大切です。この地を訪れる前に、最低限のシーク教の教えを理解し、敬う姿勢を持ちましょう。それにふさわしい服装をすること大切です。寄付制とは言え、ある程度の金額のお布施を渡しましょう。また寄付制の宿泊所は、セキュリティーが薄々なので金銭の管理には気を付けましょう。
まとめ
シーク教徒は、インド国内では非常に少ない割合であるにも関わらず、アムリトサルの黄金寺院では求める人全員に食事や宿泊所が提供されていました。国境で行う儀式の最後には、パキスタン兵とインド兵が握手をしているのを見かけました。アムリトサルの街には「人類みな平等」「他宗教を尊重する」というシーク教の教えが根付いているように感じました。インド旅行を計画している人は、ぜひシーク教の聖地、アムリトサルへも訪ねてみてください。
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