ボスニアヘルツェゴビナ・モスタルの歴史に触れ、平和を願う

モスタル旅行体験記

中東から西へ移動するように東欧の国々を旅していると、多くの国や都市でユーゴスラビア紛争の話を耳にするようになりました。そこで、この地域の歴史をより深く理解するために、ユーゴスラビア解体時に勃発したボスニア・ヘルツェゴヴィナ内戦の紛争地、モスタルを訪れることにしました。

モスタル旅行について

おすすめのポイント
  1. 世界遺産に登録されている美しい旧市街
  2. 今も残る内戦の傷跡。歴史を知り、平和について考える
  3. コンパクトな旧市街は半日あれば観光できる

モスタルの見所は、川沿いに広がる美しい旧市街にあります。旧市街の景観や街並みは世界遺産にも登録されています。しかしその美しくゆったりとした雰囲気とは裏腹に、この街には壮絶な民族紛争の過去があり、内戦の生々しい傷跡は今も街の至る所に残ります。モスタル観光では、歴史をより深く知り戦争の愚かさや平和について考える良いきっかけにもなると思います。モスタルへは有名観光地のクロアチア・ドブロブニクからの日帰り観光も可能ですので、ぜひ東欧旅行のルートに組み込んでみてください。

モスタル旅行の見所

美しい旧市街の街並み

ネレトヴァ川沿いに広がる山間に位置する、モスタルの旧市街。丸い石が敷き詰められた石畳に白造りの建物が並んだ美しい街並みは、まるで絵葉書の写真のよう。ほんの二十数年前にここで血で血を洗うような内戦が起こっていたなんて信じられないような、穏やかな時間が流れます。モスタルは、スターリ・モスト橋を挟んで民族および宗教の住み分けがされています。イスラム教徒が暮らす東側にはモスクが建ち、澄んだ青空にミナーレがよく映えます。カトリック教徒が大半を占めるクロアチア人が暮らす西側には教会があり、どこか洗練されたヨーロッパの雰囲気が漂います。イスラムとカトリックが共存するモスタルには、エキゾチックな雰囲気が漂います。

負の世界遺産 モスタルのシンボル「スターリ・モスト」

ネレトヴァ川の上に架かるアーチが美しい橋スターリ・モストは、モスタルのシンボルです。この橋もモスタルの街と共にボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争で悲しい歴史を辿りました。1566年、オスマントルコ朝時代に造られたスターリ・モストは、民族紛争によって1993年に破壊されてしまいました。2004年に今の美しい姿へと完全に復元された後、負の世界遺産として登録されました。現在は、イスラム教徒の居住エリアとクロアチア人の居住エリアをつなぐ架け橋となり、平和と復興のシンボルとして、人々に親しまれています。夜に訪れると、ライトアップされたスターリ・モストを見ることができます。

今も残るボスニア・ヘルツェゴヴィナ内戦の傷跡

イスラム教徒であるボシュニャク人、クロアチア人、セルビア人の異なる民族が暮らしていたボスニア・ヘルツェゴヴィナ。ユーゴスラビア解体を発端にそれぞれの民族が対立し、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争が起こりました。モスタルは最も激化した紛争地として、3年もの間激しい戦闘が繰り広げられました。街を歩いていると、内戦によって朽ち果てた建物をそこらじゅうで見かけます。壁には銃弾の跡が残り、それは民家にも生々しく残っていることから内戦の壮絶さが伝わってきます。美しく穏やかな旧市街とは対照的に、街中を歩いているとどこか寂しげで、静かな悲しみが漂っているように感じました。

モスタルでのおすすめのショッピングスポット

オールドバザール

イスラム教徒が大半を占めるボシュニャク人が住む東側のエリアに、お土産屋さんが立ち並ぶクユンジュルク通りがあります。ヨーロッパにありながらも、中東トルコの雰囲気に近いエキゾチックな雰囲気です。ボスニア土産と言えば銅製品が有名で、首都サラエボでもたくさん見かけた銅細工の雑貨も並んでいました。薬莢で造られた戦車や飛行機のお土産雑貨は、皮肉にもモスタルならではのお土産なのでしょう。

モスタルにて宿泊したホテル

旧市街外にあるホステル

旧市街まで歩いて15分ほどのホステルに、1泊しました。国際色豊かな宿泊者みんなで、一緒にバーに行ったり朝ご飯を食べたり、とても和気あいあいとした雰囲気でした。私が泊ったホステルのように旧市街から少し離れると、比較的安めの質の良いホステルがあるのでバックパッカー旅にはおすすめです。

モスタル旅行にて利用した旅行代理店・ツアー

個人ツアー

携帯で調べたモスタルの観光情報や歴史を見ながら、1人で街歩きをしました。それでも十分に理解を深められましたし充実した滞在になりました。しかしモスタルのような歴史の深い街は、ツアーガイドの細やかな説明を聞きながら観光するほうがより深い知識や知見を得られるように思います。その一方で、川沿いのカフェで物思いにふけたり自分のペースで観光ができること、観光客のいない夜の旧市街を訪れることができるのは個人旅行ならではでもあります。

モスタル旅行に必要な持ち物

歴史について詳しく解説の載っているガイドブックは、役に立つと思います。
あとは旅の定番品、カメラ、日焼け止め、サングラスは忘れずに持っていきましょう。

モスタル旅行での注意点

モスタル旅行での注意点
  1. 事前にボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モスタルの歴史について調べておく。
  2. モスク見学の際は、服装に注意。それぞれの宗教を敬う行動を。
  3. 石畳は滑りやすいので、歩きやすい靴がおすすめ。

モスタルは、この街が歩んできた歴史を知らずには周れない街です。個人で訪れる人もツアーに参加する人も、事前にボスニア・ヘルツェゴヴィナの歴史、モスタルの歴史を調べて理解しておきましょう。モスクの中に入る際は、タンクトップやショートパンツはNGです。それぞれの宗教を敬い、それにふさわしい行動を心がけましょう。また旧市街の石畳はつるつるとしていて滑りやすいので、滑りにくく歩きやすい靴で行きましょう。

まとめ

つい昨日まで隣人だった人同士が、学校で机を並べていた者同士が、一緒に食事をとっていた者同士が、ある日突然敵と味方に分けられ殺し合わなくてはいけない。そんな恐ろしい悲劇がたった二十数年前にこの街で起きていたなんて、胸が締め付けられる思いです。モスタルの旧市街には美しく穏やかな雰囲気が漂う一方で、至る所で「DON’T FORGET 93」の文字を見かけました。なにもなかったことにしてはいけない、決して繰り返してはいけない、実際にこの街を訪れてそんなモスタルの人々の強い思いを胸に刻みました。
今もなお民族間の溝は完全には埋まっていないそうです。20万人以上の人が亡くなった民族紛争で、大切な人を失った人の気持ちを思うと、お互いの民族が心の底から許し合えるのに膨大な時間がかかるのでしょう。そう遠くない将来このモスタルの地に、本当の意味で平和が訪れることを願います。

fuki22

投稿者の過去記事

絶賛子育て中の元バックパッカーです。
世界一周1人旅、夫婦で世界一周旅、合計で52ヶ国を訪れました♩
オーストラリアとメキシコに住んでいたことがあります。
次の目標は子連れのんびり旅♡

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

海外旅行おすすめ

  1. オズの魔法使いのモデル地◆竜巻と畜産が売りの「アメリカの良い田舎」カンザスシティ◆| トラベルダイアリー
    初めてのカンザスシティカンザスシティは、竜巻と畜産をグイグイ押し出している「アメリカの良い田舎」…
  2. 上海旅行体験記初めての上海。なのに滞在時間はたったの半日!元々訪れる予定ではなかった上海でし…
  3. おもしろ楽しい!アイルランドの街、ブラーニーでお城探訪★| トラベルダイアリー
    ブラーニー城観光体験記テレビで見て以来気になっていたアイルランドにある一風変わったお城「ブラーニ…
  4. チンクエテッレ旅行体験記「本当にこんなにカラフルな街があるの!?」新しく買ったパソコンのデスクト…
  5. ウシュアイア旅行体験記アルゼンチンのフエゴ島に位置するウシュアイア。この街を訪れる旅人のほとんど…
  6. 北欧デザインにアンティーク♪散策が楽しい街ヘルシンキの見どころを紹介| トラベルダイアリー
    ヘルシンキ旅行体験記フィンランドの首都であるヘルシンキは街行く人々がとてもお洒落で洗練された街だ…
  7. 3歳児でも思いっきり楽しめる!子連れグアムの旅② ~グルメ編~ | トラベルダイアリー
    グアム旅行体験記初めての子連れ海外旅行にオススメNO1のグアム。フライト時間3時間、時差1時間は…
  8. ガーデンアイランド カウアイ島のワイルドな自然に触れる| トラベルダイアリー
    ハワイ・カウアイ島 旅行体験記オアフ島とハワイ島へ行き、まだまだハワイ諸島の色々な顔を知りたい!…
  9. 古代ギリシャの聖域デルフィと近郊のアラホヴァ観光| トラベルダイアリー
    デルフィ旅行体験記アテネから約3時間の場所にあるデルフィ遺跡。標高が高い場所にあるので、遺跡の眼…
  10. ウルビーノ旅行体験記ラファエロ没後500年迄にどうしても行ってみたかったラファエロ生誕の地ウルビ…

国内旅行おすすめ

  1. 【日本最北端】北海道・宗谷岬へ感動の絶景に出会う旅に出よう‼| トラベルダイアリー
    稚内旅行体験記【宗谷岬】は稚内市にある日本最北端といわれる場所です。海沿いを走って向かうので…
  2. 浜松・天竜日帰り旅行体験記以前から気になっていた、立須峰・白倉挟へ絶景を求めて行ってきました。登…
  3. 宮島旅行体験記「週末、行きますか」「どこ行こうか」「…広島とか?」親しい同僚と、いつもこんな…
  4. たまにはゆったりとノスタルジックな尾道~鞆の浦~倉敷の旅| トラベルダイアリー
    福山旅行体験記 瀬戸内海の島が大好きで、今回は尾道からしまなみ海道を渡ることに。尾道…
  5. 修復中でもオススメしたい!レトロな街並みが楽しめる松山・道後温泉| トラベルダイアリー
    松山旅行体験記松山といえば何と言っても日本三古湯のひとつ道後温泉が有名!…ですが平成31年からの…
  6. 長野・松本〜観光に食べ歩きに盛りだくさん〜母娘ふたり旅| トラベルダイアリー
    尾道旅行体験記地元近くでありながら昨年はじめて訪れ、その風光明媚な雰囲気にすっかり惚れ込んだ街・…
  7. 鎌倉旅行体験記 昔から、いつか行ってみたいと憧れていた鎌倉と江ノ島。神奈川に住む…
  8. 【一人旅】都内のオアシス三鷹で3連泊。緑とセミの鳴き声に囲まれる| トラベルダイアリー
    三鷹旅行体験記3連休に乗じて旅行したいと思ったものの、感染症対策のため遠出ははばかられるご時世。…
  9. 3歳児でも思いっきり楽しめる!子連れ岩原の旅| トラベルダイアリー
    岩原スキー旅行体験記すっかりゲレンデの雪遊びにハマった娘に、キッズパークが人気の「岩原スキー場」…
  10. 車なしでも観光できる!高知 1泊2日〜充実のひとり旅〜| トラベルダイアリー
    高知旅行体験記四国旅行の際に訪れたことはあっても、泊まってゆっくり観光したことのなかった高知。…

最新記事

  1. マラッカ旅行体験記シンガポールから次の地マレーシアへ。ここでも友達と再会しました。首都のクアラル…
  2. みなかみスキー旅行体験記首都圏から95分で行けるアクセスの良い群馬県みなかみの「ノルンみなかみス…
  3. 宮古島沖縄旅行体験記子連れリゾート旅行で人気NO1の沖縄。本島には多くのファミリーが訪れています…
  4. スペイン植民地時代の香り!クラシックカーとレトロな街並み、ハバナ | トラベルダイアリー
    ハバナ旅行体験記レトロかわいい街並みとクラシックカーという構図のイラストを見たことがある人は多い…
  5. 穴場南国リゾート!宮崎、日南で南国を味わう
    日南旅行体験記南国リゾートといったら沖縄がまず思い浮かぶでしょう。しかし、実は宮崎も元祖南国リゾ…
  6. 奄美大島旅行体験記 新しく世界遺産に登録された奄美大島。南の島として有名な沖縄の島々…
  7. 女子一人旅 in シンガポール チープとゴージャスと多民族| トラベルダイアリー
    シンガポール旅行体験記 以前の旅で出会った友達に会いにシンガポールへ行きました。都市…
  8. 女子一人旅 in トルコ③ 超穴場!トルコでローマ遺跡、ベルガマ| トラベルダイアリー
    ベルガマ旅行体験記 トルコの観光地でも日本人にはあまり知られていないベルガマに行って…
  9. たまてばこ号に乗って指宿へ。指宿のマンゴーは旨い!| トラベルダイアリー
    指宿旅行体験記鹿児島の温泉と言えば指宿温泉。指宿は砂湯や開聞岳で知られています。温泉街の近くに「…
  10. 女子一人旅 in トルコ③ 白い世界と古代遺跡、パムッカレ|トラベルダイアリー
    パムッカレ旅行体験記 トルコで次に訪れたのは、真っ白な段々の石灰棚で有名なパムッカレ…

Archive

スカイツアーズ

PAGE TOP